2023年の出来事。
①いのちのうたフェス2023
私が小学校4年生の時、両親が離婚して父子家庭になった。*1
そこから母には数えるほどしか会っていない。母は鬱を発症して、人混みはパニックになってしまうらしい。私が地元のホールに登壇する機会があったときも楽しみにしていたが来ることはできなかった。最後に会ったのは高校の卒業式だった。その後私は地元を離れた。毎年、私の誕生日前にメールが届くのが唯一の交流だ。私の妹は母と絶縁状態が続いている。
2023年夏、「いのちのうたフェス2023」というNHKの番組が放送されたのをご存知だろうか。平和といのちについて、音楽を通して考える番組で、事前に観覧募集が行われていた。
過去に開催された「いのちのうたフェス」にも何度か応募しているが当選したことはない。*2
観覧募集の時点で推しが出るかは分からないが、STU48の誰かが観れるだろうと思い、妹とそれぞれ応募した。その後、妹には落選メールが届いたが、私には届かなかった。おや?と思っていたら入場整理券が届いた。1枚で2人まで入れるので、妹と2人で行くことになった。
メッセージが届いた。
「いのちのうたフェスに当選したから会えないか?」という母からのものだった。
私が観覧に応募したことも、当選したことも知らないはずなのに、奇跡なのかな、血が繋がっているとこういう偶然も起こるのかと思った。
妹は母と会うことを拒否したので、開演前に1人で会って少し話した。ヘルプマークをぶら下げた母は最後に会った時よりさらに痩せ、記憶とは別人のようだった。母の付き添いで来た方の計らいで、2人で写真を撮った。
「もう体力的にも会うのは最後かもしれないと覚悟して来た」
「目の手術をするからもう写真も見えなくなるかもしれない」
開演時間が迫り、私は自分の席に戻った。
歌には想像以上に力があると思った。
②髪を切った
数年前まで私はボブだった。その髪型が気に入っていたし、いちばん似合う長さだと思っていた。
職場のロングヘアの方がショートになったとき、ヘアドネーションをしたと教えてくれた。ヘアドネーション自体は知っていたが、詳しくは知らなかったのでググった。関連項目には「迷惑」「意味がない」などマイナスな言葉が多かった。
ヘアドネーションは偽善で、髪がないこともその子の個性と受け入れる社会が本来の理想なのか、、
行動したら何か分かるかも、と、髪を伸ばすことにした。数年間丁寧に髪を伸ばした。ドライヤーをせず寝ることも一度もしなかった。
そして、今年の夏、髪を切った。ヘアドネーション用に伸ばした髪は重みがあった。
この髪が誰かの、何かの、選択肢の一つになってくれればいいなと思った。偽善なのかもしれないけど。
③ジャニーズという名称がなくなった
悲しかった。
もどかしかった。
ジャニーズ事務所所属NEWSの最後の現場に入れたことは幸運だった。ジャニーズに憧れて、夢と希望を抱いて入ってきた人たちはこれから何を目指していくのか、目標が揺らいだり、わからなくなるんじゃないかと思った。
でも、NEWSは私たちに愛をたくさん届けてくれた。不安なファンを優しく、そして力強い歌で導いてくれた。私は応援したいと思った。
欲を言えば、紅白に出てほしい。
冠番組がほしい。
歌って踊ってアイドルをしていてほしい。